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影法師 [読書]

父がやたらと薦めるので
半ば、うるさいな~思いつつ、書店で手にとりました。
が、帯をみてこれはイケると直感w


影法師 (講談社文庫)

影法師 (講談社文庫)

  • 作者: 百田 尚樹
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2012/06/15
  • メディア: 文庫


早速、ページめくってみる・・。
寝そべって読み始めたんだけど、すぐ、姿勢を正すハメに。
お菓子食べながら読むような本じゃないと思いました。

最初のほうで不覚にもポロッと。
本来、涙するような物語はあまり好みではないのだけど
これはちょっと違う。
先を読まずにはいられない気持ちになった。

以下、感想。


時代小説です。

読み終わってタイトルに立ち戻った。
彦四郎の物語だと思った。
涙にもいろんな種類があると思った。
これは・・たとえば、
藤沢周平を読んだ後のような悲しい涙ではなくて
なんというか・・・キリッと鋭い切なさ?
うーん。。語彙力乏しいなぁ自分;うまく表現できないよ;;

印象に残るシーンはいくつもあった。

釣り、その帰り道の出来事。
川で溺れかけたこと。
百姓一揆。
保津のこと。
みねのこと。
・・・
・・・
・・・

感想を言葉にすると、陳腐になってしまいそうで。
端的でわかりやすい言葉が浮かばない。
ただ、私は読んでいる間じゅう、
本来の日本の美しさ、強さにどきりとさせられて
今を省みずにはいられないような、そんな気持ちでした。

帯には「どんなことがあっても貴女を護る」とあり、
なんとなく、恋愛物語なのかなーなんて思ってました。
でも、違う。確かにうっすらとありはするけど、それだけじゃない。
大局でものごとを考える大切さ、潔さ。

侍。

悲しくて泣いていた。
そんな七歳の勘一の心を救ってくれたのは
同じ年格好の彦四郎。
彼の気迫ある厳しい
「泣くなっ」「武士の子が泣くものではない」という言葉。
「敵討ちするなら、助太刀する」と。

彦四郎が泣くなと言ってくれたから
勘一は、ずっとその後を強く生きていく。
大きな話になるかも、だけど
今の日本が失ってしまったものって、これだと思った。
優しく許容するだけじゃだめだよね。
負けるな、泣くな。
こういう厳しさに救われること、たくさんあるのよ。

百姓一揆のところ、
学校で習った教科書の日本史とは違う重みを感じて、
いい意味で、一揆への見方が変わりました。
対する武士もまた命がけだったのだと知りました。
百姓には百姓の、武士には武士の。

追記:文庫、巻末の袋とじ。これは・・想像で補完したほうがよかったかな私は^^。

タグ:百田尚樹

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