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『輝く夜』と『幸福な生活』 [読書]

年末年始に2冊、読みました。
どちらも短編集で、気楽に読めました。

以下、感想です。


輝く夜 (講談社文庫)

輝く夜 (講談社文庫)

  • 作者: 百田 尚樹
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2010/11/12
  • メディア: 文庫


読んだ後、頬がゆるんでしまってるような物語でした。
「こんなのあったらいいなぁ」と思いました。

特に、いちばん最初の『魔法の万年筆』が好き。
・・ありえねぇよ!って話なんだけれど、
主人公・恵子を見てると、
「ありえないけど、あってほしい」
そう願わずにはいられない。
恵子さんってね、
ホームレスのおじさんに
お金をただ渡すのではなく、「こんなカッコじゃお店で買い物できないだろう」と
「ひと手間」かけてあげられる、心根の優しい女性。
恵子のそんなところに魅かれました。同時に、作者の百田さんを思ったり。

そんな恵子が昔、お付き合いしていた職場の男性。
彼を巡るトラブルのさなか、自らが身を引いてしまうとこ。
そういうの、人によったら「アホちゃう?」って思うかもしれないけど
私は恵子のそういう部分に彼女の良さを見ました。
彼が、「好きなのは恵子ちゃん」と言ったとき、私、すごく切なかった。

不思議と私は、幸せになっていく過程はわりとどうでもよくて←
恵子の人となりがわかる箇所に魅かれた。
だからきっとこの先、恵子は幸せになっていくだろうな、なってほしいな。
そんな風に思いながらページをめくるだけでじゅうぶん楽しかった。


幸福な生活

幸福な生活

  • 作者: 百田尚樹
  • 出版社/メーカー: 祥伝社
  • 発売日: 2011/05/27
  • メディア: 単行本


こちらは、阿刀田高テイストかな^^。
毒がある。あっさりめの毒。
阿刀田作品より、さらにシンプルで読みやすいです。
ただ、「こうだろう」と思ってると、
真逆の結末だったりして裏切られる物語がいくつかあって
「やられたー」な気持ちになるやもしれません。

そして、ページの構成がすごいなぁと思いましたww
だって、ペラってめくったら、
「え!?」ってなるようにできてるんやもん。

こちらで、印象的だったのは、
妻が夫の浮気の証拠をためこんでるお話。
ラスト、メモに書かれてるひとことがww
私はこれ、怖いって思わなかった。
それどころか「あらまぁ可愛いやん、この奥さん♪」って^^。
夫は、なんて思ったんだろ?w 
「コイツ、さすが俺のヨメやで」って思ってると良いなw

百田尚樹さん、Twitterで
『輝く夜』が実はいちばんのお気に入りかもって仰ってた。
ちょうどその呟きの前日に私、この作品を読んだとこだったので
「私も好きです」って送ったら、お返事いただけて嬉しかった^^。
百田さんって「はにかみやさん」という気がしたよw

追記:産経の阿比留さんブログ、
12月30日付の記事にとても共感。
ラストの「ああ、ホントによかった。」が実感こもってて大きく頷いた。




タグ:百田尚樹

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